40年ほど前、私は初めて米国に行き、アメリカ住宅とその暮らしを見学する機会があった。
 興味深かったのは、トイレのドアを開けている家が多い・・・ということ。
 わざと開けてある。
 日本でもこの事例が増えてきた。
 今は日本の引き戸を使った事例が多い。

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 理由は、部屋ごとの温度差が発生しないように、開けてある。
 アメリカの冷暖房は家全体で行っていたから、ドアを閉めてしまうと、トイレだけが温熱的に孤立する。
 それを防ぐため。
 家を冷房しているとき、閉めると、トイレの中は暑くなるから。(冬はこの反対)
 定かではないが、それが習慣になり、文化になり「トイレのドアは開けておく」、、、暗黙の了解となっているのがアメリカのルールだ。
20240506USAトイレ-1396959486
 日本は真逆、ドアはピシッと閉める。
 トイレのドアを閉めない人はダラシナイ人。
 トイレは不浄であり、スリッパを履き替えるくらいなので、閉める。

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 しかし、トイレのドアを開けておくことは、今、日本の住宅でも見かけるようになった。(特に高気密高断熱住宅で増えている。)
 ドアを閉めると部屋は温熱的に孤立しやすい。
 部屋を閉め切らない方がよいと考える建て主さんも増えてきた。

 ① 開け放たれているのでトイレは廊下側からも見えることになる。
 ② 見えるからこそ、トイレは格好よくデザインする。
 ③ トイレが不浄であるという感覚は捨てる。
 ④ トイレは洗面とかバスタブと一部屋になることも増える。
 ⑤ トイレの北側配置は減り、南側配置も増えてくる。
 ⑥ 開いていれば通風もよくなる、光も行き渡る。

 つまり、①~⑥は・・・新しいデザインが生まれることになると思う。
 (以下の写真二枚は当事務所の物件、どちらも方位南面に配置し、ドアは引き戸だ。) 
web20160505トイレ2階
web荒木20140713トイレ

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 ここからは余談。
 米国ホームステイへの斡旋をする団体の記事、そのタイトル。
 「ホームステイ先でトイレのドアは閉めないで」
と書いてあった。
 アメリカの人はトイレが閉まっていたら、誰かが入っていると考える。使用してないときは、開けてあるから。
 ルールを知らなかった日本人はドアを閉めて出てきたから、トイレの中で1時間以上も下痢か何かで苦しんでいると家人は想定し、事故発生と考えたそうだ。 

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