小屋裏収納のこと。
 上がっていく階段は天井収納型の折りたたみ階段(画像クリック)にしがちだ。
 (何だかとっても楽しそうだが、それは初めのうちだけ。。。と思った方がいい。)
 天井収納型階段は使わなくなる家が大部分。
 無理をしてでも普通の階段にすべきだ、という話し。

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02断面
 左は屋根勾配6/10、右は屋根勾配8/10。
 小屋裏収納って多かれ少なかれ、このような感じ。
 天井高さは法律で1.4m以内と決められている。(注1参照)

 小屋裏の形に注意。
 いちばん収納できる中央は通路として残さねばならないから、両側に置けるものは小物類ばかり。
 そんな小物を取りに、毎回、階段収納を広げたり、畳んだりして使うのは・・・非合理的だと思うようになる。
 (例えば下着、・・・取りに行くのに収納階段を操作するのは面倒臭すぎる。)
 結局5年後、小屋裏収納物は死蔵している家が100%だ(盛っているが)。

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 小屋裏収納は「あった方がよい」と思う。
 しかし、小屋裏への階段は普通の階段が良い。
 折りたたむ天井収納階段は、もの珍しさも手伝って3・4年は使いこなすが、そのうち広げたり折りたたむのが面倒になり・・・使わなくなるのが一般的なのだ。
 
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 設計者は、何故、折りたたみ階段を設計してしまうのか?
 ① 居間でも、廊下でも・・・、スペースさえあればどこにでも設置できる利点。
 ② 普段は天井に収納できるから、邪魔にならない。
 ③ 階段に面積を取られない。
 ④ 安易に、①~③は良いことづくめ、飛びついてしまう。
 ⑤ 5年後、使われなくなることを知らない。
 ⑥ 知っていても④にはそれを超える魅力がある。
 ⑦ 5年後使われないのは自分(設計者)のせいではない。使わない建て主のせい?だと思えば気持ち的に楽?

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 図は平屋住宅、小屋裏に上がる普通階段。
 急勾配階段ですが、いつでも上がることができます。
 001 2025-09-30 013916

 こちらは、同じ階段を玄関から見たところ。(ドアを設けることも可能。)
 
002  2025-09-30 014042

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 大部分の自治体は小屋裏階への階段を認めています。
 是非、普通階段をお勧めします。(認めていない自治体もある。役所に聞いた方がいい。)

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 注意事項
 この記事は小屋裏への普通階段に特化して書いているため、普通の階段が絶対に良いという書き方になっています。
 が、屋根の形や、階段配置の関係上、普通階段にできない場合があります。
 この記事がいちばん正しいと思わないようにしてください。

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 注1:)天井高さは1.4m以下にしなければならない(全国共通)。
 立って歩けないようにすることで、収納以外の用途(例えば寝室など)にできないようにしている法の精神。
 小屋裏に寝室を設けたいと思う人は、法令を守った正規の木造3階建てにすればいい。
 当然、法令は厳しくなる。燃えにくい構造体や消防隊の非常用進入口が必要になるので、普通は建てられなくなる。 

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